こんにちは!高知県高知市「西久万ピアノ教室」主宰の、山本扶美です。
小学校や中学校の『音楽会』『合唱コンクール』の季節になりましたね。
西久万ピアノ教室でも、毎年、生徒さんたちが、いろいろな楽器に挑戦したり、合奏のピアノパートを担当したり、中には合唱のピアノ伴奏(学年で1,2名)に選ばれる生徒さんもいます。
(今年はコロナの影響で、合唱はなしという学校も多いようですが…)
この合唱のピアノ伴奏は、最近は“オーディション形式”が主流になっているようで、初めて生徒さんから相談があった時には大変驚いたものです。
また、人気のある楽器でも、希望者が多い場合はオーディションで決めることがあるようです。
楽器の演奏については、単旋律なので、日頃ピアノを弾いている生徒さんにとっては、かなり見やすい楽譜だと思います。
「全然、楽勝だよ~」と言う生徒さんも多いです。
そうは言うものの、案外、きちんと弾くとなると、リズムが難しかったり、合わせにくかったりもするので、その場合、ご希望があれば、レッスンで一緒に確認をすることもあります。
また、合奏のピアノパートとなると、結構なボリュームがあるので、私が演奏したものを録画して持ち帰ってもらうなどサポートもしています。
今回は、合唱の伴奏ではどのようなことを求められるのか、ピアノソロとの違い、またピアノ伴奏が上手に聴こえる”コツ”についてもお話してみたいと思います。
合唱の伴奏者になるために求められること
・一定のテンポで弾くこと
・空間を感じ音を響かせられること
楽譜を読む力・初見力
楽譜をもらって、オーディションまで一週間…なんてこともあります。
短期間でも、楽譜を音楽として見渡せ、ある程度の形にできること。
この段階で、学校の先生も安心して「お願いね」と楽譜を渡せますよね。
楽譜を読むのに時間がかかってしまう人は、なかなか大変だと思います。
ブルグミュラーレベル以上は欲しいものです。
ソナチネ以上が弾けるようなら、かなり余裕が出てくると思います。
一定のテンポで弾けること
最近は人気歌手の歌の編曲や、ポピュラー曲が多いようです。
とても親しみやすいのですが、実際演奏するとなると、リズムが難解だったり、タイが多くて1拍目が取りにくかったりで…流れが崩れてしまいがちです。
耳コピではある程度は出来るようになるかもしれませんが、曲が長いととても追いつきません。
まずは、きちんと楽譜を読んで正確にリズムを取ること。
そして、一定のテンポ(インテンポ)で弾けることが大切です。
メトロノームに合わせてきちんとリズムを取っておく必要があります。
そして、何よりも大事なのは、絶対に弾き直しをしないこと‼
もし、ミスをしても、先に進み、流れを止めないことが一番大切です。
空間を感じ音を響かせられること
大人数に負けない豊かな響き、会場の後ろまでしっかり音が通ることが求められます。
豊かな音とは、鍵盤を力任せに叩くものではありません。
身体の力を抜いて、よく響かせることができるようにしたいですね。
ピアノが上手に聴こえる練習のコツ!
歌のパートも歌ってみる
ピアノの伴奏パートしか見ていない演奏だと、合唱とのバランスがアンバランスで、ガチャガチャした伴奏に聞こえてしまいます。
私は、これまで長く合唱団の伴奏をさせていただいていますが、新しい曲を譜読みする際には、まず歌のパートを見るようにしています。
ざっくりと、メロディーとなるパートだけでも良いと思います。
あくまで、歌に伴奏を付けていくイメージで(弾き歌いをするように)、伴奏の譜面を読んでいくようにしています。
合唱の伴奏では、各パートを聴き分け、一緒に息づかいができなければいけません。
この譜読みの仕方は、一見遠回りに見えるかもしれませんが、実はとても早く全体の音楽を把握することができます。
前奏・間奏・後奏を、ステキに演奏する☆
この部分は、少しソロ的にアピールする必要があります。
そして、また歌が始まるとバトンを渡すように、うまく受け渡していきたいですね。
伴奏をすることで大きく”成長”することもあります。
こんなエピソードがあります。
小学6年生だったAちゃん。ピアノを始めたのがちょっと遅めの4年生の終わり頃。ピアノが弾けるようになることをマイペースで楽しんでいる生徒さんでした。
そんな彼女からある日「卒業式の合唱の伴奏をしたい!」と相談がありました。お母さまも私もびっくり‼「絶対に頑張るから、レッスンで曲をみてほしい」とのことでした。そんな風に思っている彼女が頼もしくとても嬉しかったのですが…普段弾いている曲のレベルからすると、楽譜も難しく、かつ、とても壮大な曲であること、この曲がいかに難しいのか、ましてや今のペースだととても弾きこなせないこと…を正直に伝えました。それでも「やってみたい!」という彼女に押され、レッスンをスタートしました。といっても短期間ですし、ポイントを絞って、リズムの難しい箇所や指番号を書き込む作業が続きました。
ところが、彼女は「いったいどうやって時間を作ったの?」というくらい、曲を弾きこんできたのです。お母さまによると、弾ける時間は、全てピアノに向かっていた、とのこと。その後、なんとオーディションを突破し、卒業式当日は、堂々たる演奏を披露したそうです。
「絶対やりたい!」という気持ちが、一気に成長させることがあるんだなあと感心したものです。
なんでも、やってみようという気持ちは大切にしてあげたいですし、それが成長のチャンスになることもあります。
ピアノ教室で日頃頑張っている生徒さんが、音楽会で活躍してくれることはとても嬉しいですね。
音楽会の伴奏、応援しています!!
高知市の西久万ピアノ教室の、レッスンについての詳しい内容は、こちらのホームページをご覧ください。