ピアノと中学受験~高知県の実情
夏休みに入り、学習塾の夏期講習に通う小学生が増えてきました。そうなんです。ここ高知県は、私立中学を受験する生徒率が、東京都に次ぐ第2位! とても多い県なんです。県外から引っ越してこられた方は、一様に驚かれます。
中学受験が迫ってくると、塾の曜日も週4や週5と増えてくるので、これまで続けてきた習い事と両立させるのは、時間的にかなり厳しくなってくるのが実情です。
(小5の生徒さんのお母さまからのご相談)
中学受験を目指して、学習塾に通い始めました。塾の時間数が増えてきて、ピアノを弾く時間がなかなか取れなくなってきました。でも、ピアノを辞めてしまうとこれまで続けてきたことが無駄になってしまうようで、もったいない気がします。本人はピアノを続けたいようです。どうすればいいでしょう?
習い事と中学受験。親御さんにとっても、これはとても難しい課題ですよね。
中学受験に集中させるために、キッパリと受験に関係ないものは全部削り、勉強に集中させる方もいらっしゃると思いますし、この方のように悩まれ決めかねている方もいらっしゃいます。
私も、息子の中学受験で3年間、車で送迎をしました。また私自身も、もう遥か昔になりますが、中学受験のために学習塾に通っていた経験があります。
ピアノと塾。ピアノ教室では日常的にある課題となりますので、私なりに答えてみたいと思います。
習い事はいつまで続ける?~いつか必ず訪れる岐路
中学受験だけでなく、高校受験、大学受験などが目の前に迫ってくると、習い事を辞めるか続けるかの岐路に立つ時期が必ずやってきます。
高校や大学受験となると、生徒さんご本人がしっかりと考えて結論を出すことが多いです。私のピアノ教室でも、私(ピアノの先生)とのお付き合いが長くなるので、いろいろと相談をしてくれます。また、この年代になると、ご自分とピアノの関係や位置づけ、向き合い方、楽しみ方を知っている生徒さんが多いです。
今春、高知市内の高校に合格した生徒さんは、なんと受験当日以外はずっと教室に通ってくれていました。4月の発表会には絶対出演したい!ということで、受験勉強で忙しくなるのを見越して、半年前から選曲をし、少しずつ自分のペースで練習をしていました。彼女は「生活の中にピアノが組み込まれているので、このままがいい」と話していました。
受験が終わった後は、晴れ晴れとした表情で、心から楽しんでピアノを弾いているようでした。こんな風にピアノを楽しめるようになれたら素敵ですよね。
中学受験は親御さんのサポートが必須
一方、中学受験は、送迎も親御さんがされることが多いですし、時間的にも大きな負担があります。 塾に通い始めたお子さんは、新しい先生、新しい体験、全てが新鮮であり、同時に慣れるまで緊張の連続。
結果を出すこと強く求められますので、新しい経験ができる一方で、プレッシャーやストレスを感じながら突き進んでいきます。
その一方、小さい頃からずっと通っていたピアノ教室は慣れ親しんだ環境で、心はとても安定しています。(先生が怖い場合は、そうでもないかもしれませんが…)
そこは、様々な課題を少しずつ解決してきた成功体験のいっぱい詰まった場所。ピアノの先生との信頼関係も築けているので、ちょっとした相談にも乗ってもらえたり、自分のことを家族以外で一番応援してくれる存在だったりします。
またその一方、親御さんは忙しい中を送り迎えしたり、経済的な負担も増える中、あまり練習もできない(ように見える)、上手くならない(ように見える)、そんなピアノを続けさせることに疑問を感じる方も少なくないでしょう。
音大に行くわけでもないので、どこまで続けさせるか…悩ましい課題だと思います。
続けることで、獲得できることがあります!!
小学4・5年生は、ピアノの基礎の教本が終わり、これからいろいろな曲にチャレンジしてレパートリーを増やしていける時期。音楽の楽しみが広がっていくスタート地点です。
それぞれのやり方とペースで、ピアノを楽しんでいくことができます。中学、高校、大人になった30代、40代…とピアノを楽しんでいる方もいらっしゃいます。 子どもの習い事、ということだけに収まりきらない広がりがあります。
それは、大人になってから気づくことが多いかもしれません。 「お母さんが忙しい中、送り迎えをしてピアノを続けさせてくれたので、自分の子供にも同じようにしよう!」そう思うことがきっとあると思います。
ピアノを辞めるか続けていくか、最終的に決めるのはご家族とご本人です。どちらを選択しても、熟考の末、決められたこと。親御さんの愛情と思いがいっぱい詰まっています。 しかし、辞めないでゆっくり続けていくという選択肢もあることにも気づいていただければと思います。
もし、迷っているようなら「練習時間が少なくなるけどピアノは続けたい」と、ピアノ教室の先生に相談してみてください。きっとそれに合わせたレッスンを工夫してくださると思います。
「なんだか大変そうだから」とか、「練習不足で先生が気を悪くするんじゃないかしら」とか、先回りをして辞めてしまうのは本当にもったいないです。
ピアノ教室の工夫、一人一人に寄り添うレッスンを♪
受験時の一年間は、毎週通っていたレッスンが月2回くらいになってもよいと思います。以前弾いた曲を復習したり、聴音やワークをしたり、一緒に新しい曲の譜読みをしたり… 練習不足でもできるレッスンはたくさんあります。少しペースを落とせば、意外といけるものです。受験前の数か月はお休みもありです。
辞めずに縁を断ち切ることがなければ、ずっとピアノを続けていけます。一旦辞めてしまって、中学に合格してから考えようというパターンだと、新しい環境に慣れるのが必至で、ピアノを再開する余裕がなくなってしまうことがよくあります。
でも、辞めずに続けていれば、状況に合わせてペースを調整できますし、変則的なスケジュールを組むこともできます。 ピアノを続けながら中学受験を成功させるためには、ピアノ教室の先生側の工夫・細かな配慮・協力は欠かせません。
生徒さんや親御さんと、日頃からしっかりコミュニケーションを取って、一人一人に寄り添えるレッスンができることが理想です。
西久万ピアノ教室でも、受験前の一年間はできるだ柔軟に対応し、頑張る受験生を応援しています。
西久万ピアノ教室の高校生たちは、もう次の(来春)発表会で弾く曲の候補が上がっているようですよ(^^♪
勉強や部活で忙しい中、自分のペースでピアノを楽しめている頼もしい生徒さんばかりです。